懺悔(ざんげ)とは、自分が犯した罪や過ちを深く反省し、それを正直に打ち明けて許しを求める行為のことです。
しかし、キリスト教の懺悔と仏教の懺悔では少し懺悔の意味や手順が異なります。
本記事では、懺悔の意味や種類、例文、類語まで解説します。
懺悔の意味とやり方

懺悔は、一般的に自身が行った罪や過ちを認め、打ち明けることで許しを請う行為です。
懺悔のやり方や打ち明ける相手はキリスト教と仏教で異なるため、それぞれ解説していきます。
キリスト教の懺悔
キリスト教における懺悔は、「神との関係を回復するための行為」として重要視されます。
信者が自らの罪を認め、悔い改め、神の許しを求めることを通して、内面的な浄化と信仰の再確認ができます。
キリスト教における懺悔は、正確にカトリックは「告解(こっかい)」や「悔悛(かいしゅん)」、プロテスタントでは「罪の告白」という言い方がされることが多いです。
カトリックとプロテスタントでは懺悔の形式に違いがあるため、さらに詳しく解説します。
カトリック
カトリックにおける懺悔は、「告解(こっかい)」や「悔悛(かいしゅん)」と呼称され、七つの秘跡(ひせき)の一つに数えられています。
海外のドラマや映画で出てくる教会の小さな部屋(告解室)で懺悔するシーンは、カトリック式の懺悔です。
信者は教会の「告解室」で司祭(神父)に対し、自分の罪を具体的に打ち明け、神父は神の代理として許しを与え、「赦罪の言葉」を述べます。
懺悔の後には、悔い改めのしるしとして「償い(ペナルティ)」が与えられることもあります。
カトリック教会での懺悔の方法を解説している記事が別にあるため、こちらも参考にしてください。
プロテスタント
プロテスタントにおける懺悔は、「罪の告白」と呼称されます。
懺悔は神との直接的な関係の中で行われると考えられており、信者は自分の内面において罪を認め、祈りを通じて神に許しを求めます。
そのため、カトリックのような司祭による告解の制度はなく、懺悔の場所は特に定まっておらず、自宅にて一人で行ったり、なかには、日曜礼拝で集まった信者の前で「罪の告白」や「悔い改めの祈り」が行われることもあります。
懺悔を通じて、神の恵みによって救われていることを再確認する点が重視されます。
教会での懺悔の方法を解説している記事が別にあるため、こちらも参考にしてください。
仏教の懺悔
仏教における懺悔は、自らの心と行いを内省し、仏や菩薩の前で過ちを悔い改めることで、心を清めるための実践です。
懺悔は、もともと「さんげ」と読み、「懺法(せんぽう)」と呼称されることもあります。
特定の儀式として行われることもあれば、日常の修行の一部として静かに唱えられることもあります。
特に禅宗や天台宗では、朝夕の勤行の中で懺悔文を唱え、仏の前で自己の罪を告白します。
また、法要や仏事の場では「懺悔文(さんげもん)」を唱えることで、心の浄化と功徳の積み重ねが図られます。
仏教の懺悔は、他者に対してではなく、自らの心に向き合い、煩悩からの解放と悟りを目指すための一歩として位置づけられています。
仏教(お遍路懺悔)の詳しい手順や内容を解説している記事が別にあるため、こちらも参考にしてください。
懺悔の例文

ここまで、懺悔の意味を解説し、宗教別の懺悔の仕方を紹介しました。
次に懺悔の例文をいくつか紹介します。
一般的な文脈
- 彼女は過去の裏切りについて親友に懺悔し、涙ながらに許しを乞うた。
- あのとき嘘をついたことをずっと後悔していて、今になってやっと懺悔する勇気が出た。
- SNSで炎上した彼は、自らの発言について公に懺悔し、謝罪のコメントを発表した。
- 彼は誰にも言えなかった過去を親友に懺悔し、ようやく心の重荷が少し軽くなったようだった。
カトリックの文脈
- 私は、ミサの前に告解室で神父に懺悔を行い、赦しの言葉を受けて心が軽くなった。
- 彼は日曜日のミサの前に告解室を訪れ、神父に懺悔をして罪の赦しを受けた。
プロテスタントの文脈
- 彼女は祈りの中で神に自らの罪を懺悔し、新たな人生を歩む決意をした。
- 私は、日曜礼拝の祈りの中で、自分の罪を主の前で懺悔し、悔い改めの決意を新たにした。
仏教の文脈
- 僧侶たちは朝の勤行で懺悔文を唱え、日々の行いを省みて心を清めていた。
- 過ちに気づいた彼は仏前にひざまずき、静かに懺悔の念を捧げた。
懺悔の類語

懺悔は、自分の罪や過ちを悔いて告白する行為を意味し、宗教によってその方法や対象、意味づけが異なることを解説しました。
最後に「懺悔」によく似た類語を10個紹介します。
- 告白(こくはく) – 自分の過ちや罪などを人に打ち明けること。
- 自白(じはく) – 自分の罪や事実を自ら認めて話すこと(法律用語寄り)。
- 謝罪(しゃざい) – 相手に対して自分の非を認めて詫びること。
- 悔悟(かいご) – 自分の行いを深く悔いて反省すること。
- 悔恨(かいこん) – 過ちを後悔し、心から悔いること。
- 後悔(こうかい) – 自分の過ちを心の中で悔やむこと。
- 反省(はんせい) – 自分の行動や考えを振り返り、良くなかった点を認めること。
- 懺法(せんぽう) – 仏教用語で、罪を悔い、仏に許しを請う儀式。
- 慙愧(ざんき) – 自分の行いを恥じて悔いること(文語的・古風)。
- 罪業告白(ざいごうこくはく) – 宗教的な意味で、自分の罪を神仏に対して告げること。
懺悔とよく似ている言葉に「後悔」があります。
後悔は、過去の出来事に対する感情的な反応である(自己の内面止まり)のに対し、「懺悔」はそれに加えて、心の浄化と再出発を目的とした精神的な実践(行動が伴い、他者との関係性が関わる)です。
懺悔と後悔の違いを解説している記事が別にあるため、こちらも参考にしてください。
懺悔できる場所

懺悔に必要なのは、「心から悔い改め、立ち直ろうとする気持ち」です。
形式や場所にとらわれず、自分に合った方法で、心の整理と癒しを進めてみましょう。
懺悔できる場所は大きく5つあるため、順に紹介します。
1. カトリックの教会
カトリックでは懺悔は「ゆるしの秘跡(告解)」として制度化されており、教会にある告解室で神父に罪を打ち明けます。神父の赦しの言葉(赦罪詞)を通して、神との和解がなされるとされています。
2. プロテスタントの教会
プロテスタントにはカトリックのような告解の制度はありませんが、礼拝や個人の祈りを通して、神に直接罪を悔い改めることができます。必要に応じて牧師との面談や相談も行われます。
3. お寺(お遍路懺悔)
仏教では懺悔は「煩悩や悪行を悔い、心を清める修行」として位置づけられます。特に四国八十八ヶ所巡礼では、各札所で懺悔文を唱えながら巡礼する「お遍路懺悔」が広く行われています。
4. 神社(祓えとしての懺悔)
神道では「懺悔」という言葉は使わないものの、「穢れを祓い清める」という考え方があり、拝殿で祈りを捧げたり、神職による正式なお祓いを受けたりすることで心の浄化を図ります。
5. 自宅(オンライン懺悔)
宗教的な施設に行かずとも、静かな時間を設けて自分自身と向き合い、心の中で懺悔することも可能です。
経文を唱える、日記に綴る、神や仏に語りかけるなど、自由なスタイルで行えます。
最近では、インターネットを通じてオンライン懺悔する人も増えています。
たとえば本サイトでは、懺悔することで免罪符を受け取れます。
完全匿名で簡単なステップで気持ちがスッキリと楽になれるため、ぜひご活用ください。
懺悔の手順を解説している記事が別にあるため、こちらも参考にしてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、懺悔の意味や種類、例文、類語を解説しました。
一般的な文脈で使用される懺悔ですが、実用的なやり方は宗教的に異なることが理解できたかと思います。
失敗は誰にでもあるため、その失敗を受け入れ、次に進めるように日常的に懺悔を取り入れてみるのも良いかもしれませんね。
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